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カヨ姉ちゃん

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うおお~、会社に遅れる!・・・と、慌ててJRに乗ったものの、何となく周りがぼんやりしている。

ん?

そもそも何で尼崎から乗ってんねん!
尼崎で降りて、そこから歩いて会社に行かなアカンのに。

どうやら電車は空港に行くようで、ぎゅうぎゅう詰めの混雑である。ソーシャルディスタンスはどこに行ったんや状態。

そのうち前後を女性に挟まれてウハウハ・・・というかちょっと混乱しつつ、そうは言っても身動きが取られへんし、と思っていると、前にいる女性が「臭いがどうの」と呟き始め、そのうち「口が臭いねん、たまらんわ」と声が大きくなり、これはおそらく僕のことを言われているのだろう、と、僕は下を向いてできるだけ息を吐かないようにそーっと呼吸した。

てか、ここは一体どこやねん、と外を通り過ぎる駅を見ると「人なみ」という駅名。いや、よく見ると「人なめ」。何じゃそりゃ。

みんな空港まで乗るのかと思ったら、「人なめ」の次の大きな駅でどーっと人が降りて、件の女性も降りてくれたのでホッとしていると、僕は降り損ね、結局次の駅で降りた。

何だか寂れた駅で、ホームの端っこに高い壁があり、それが自動でサーッと下がって乗客たちが先を争うように駅を去っていった。けど僕は反対側のホームに移って戻らないといけないので、その手前にある階段を降りると、結構大きめの地下街が出現した。

こんな駅の地下にこんな規模の地下街が!・・・いや、けど自分は反対側のホームに上がる階段を見つけなければ、とオロオロしていると、従姉のカヨ姉ちゃんが「ともちゃん、こんなとこで何してんの?」と現れた。

「ちょっと電車に乗り間違えて・・・てゆーか、そもそも電車に乗ったのが間違いやってん。人なみで、いや、人なめやったっけ、そこで降りれば良かったのに、ここまで来てしもてん」とめっちゃ久しぶりに会ったカヨ姉ちゃんにナゼかドギマギと言い訳をしていると「ともちゃん、カワイイなあ」と。

何だか嬉しくなって思わずハグした後、反対側のホームに連れて行ってもらった。

やっと尼崎に戻れる。いやその前に会社に電話しておかないと、と、カヨ姉ちゃんに「助かったわ。ありがとう~」とお礼を言ってスマホを取り出して会社の電話番号を正確にプッシュし、呼び出し音を聞いていると目が覚めた。

ちなみにカヨ姉ちゃんは多分僕より10歳以上は年上だろうからもう還暦を過ぎているハズ。けど、夢の中では40歳そこそこ、という感じだった。そもそもかなり長い間会ってないし、夢に登場したのだって初めてだ。

一体、僕の脳ミソの中はどないなことになっとんのやろ。

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