- 2014-08-19 (火) 22:04
- Category:プライベート
横浜へ出張し、7時過ぎには帰阪し、今日はそんなに歩いてないから歩数稼ぎのために駅から家まで歩こう、と、てくてく歩きだして20分くらい経ったその時――。
「すみません」と、みすぼらしい身なりのおっさんに声を掛けられた。
「あの、ここからJR西宮まで行きたくてですね・・・」
うひゃあ。1km以上あるで。道を説明するのも面倒だし、一緒に引き返すのはさらに面倒。
「で、そこから大津まで帰りたいのですが、困ってまして」
「はあ」
僕は続きを促すつもりでおっさんの顔をじっと見るも、おっさんは困った顔のまま続きを話さない。
「で?」しびれを切らして僕の方から問いかけた。
「あの、西宮までの道は分かるのですが、200円しか持ってなくて・・・」
本当に200円ちょっとしかなくて、と、おっさんは小銭入れの中身を僕に見せる。
そう来たか!
「800円ほどお借りしたいのですが。お名前とご住所を教えていただければ後から送りますんで」
「はあ」
どうしたらいいのか、僕も困った。困った顔をして向かい合うおっさん二人。
そんなはした金を返してもらおうとは思わないが、騙されているのなら腹が立つ。けど、本当に困っているのなら、このまま無視して立ち去るのも寝覚めが悪い。
結果、千円札を差し出した。
「すみません、ありがとうございます。あの、お名前は・・・?」
「あ、いいですいいです。差し上げます。駅までの道は本当に分かるんですよね?」
「はい、それは大丈夫です。すみません、ありがとうございます」
寸借詐欺と呼ばれる手口かも知れないけれど、それにしては800円ぽっちというのがシケてる(小銭がなかったので千円あげたけど)。
本当に困っているなら「いいことしたなー!」と晴れ晴れした気持ちになるだろうけど、騙されているのかも知れず、何となくモヤモヤした気持ちのまま帰ったのであった。
後で考えると、近くに交番があったので、そこに駆け込むのがベストの選択やったよなー。